英検など大学受験における英語民間試験活用の延期について
文部科学省は2019年11月1日に、来年から予定していた「大学入試英語成績提供システム」の導入を見送ることを発表しました。理由としては、試験を受ける会場が充分に準備が出来なかったため英語試験会場までの距離、交通費や宿泊費など居住地によって大きな差が生じることが挙げられました。経済的な状況や居住している地域にかかわらず、みんな等しく安心して受けられる英語試験実施にはまだ準備に時間がかかるようです。現時点では4年後の2024年から導入予定としています。今後さらに議論や検討を重ねるということですので、あやふやな状況と個人的には感じています。
この「大学入試英語成績提供システム」を利用予定だった大学は10月の時点で、4年生大学全体の役70%に登っていました。国公立大学では役85%以上の大学が利用予定であったと文部科学省は発表しています。
これだけの数の教育機関、民間の英語試験団体を巻き込んでの今回の延期は賛否両論あることは当然のことと言えるでしょう。しかし、そもそも発案時点でこういった格差問題を想定できなかった文部科学省の計画の甘さは批判されるべきだと感じます。
従来の大学入試センター試験に代わり、2021年度入試より開始される大学入学共通テストでは、英語4技能「読む・聞く・話す・書く」を測定し、英語の力を総合的、包括的に評価する予定でしたが、こちらも変更され、これまで通り、リーディングとリスニングを測定するだけにとどまることも残念なお知らせです。
来年には東京オリンピックという国際的な一大イベントも控え、今後日本が国際社会で活躍していく人材を育てていくためには英語の教育改善は絶対に必要なものだと思います。できるだけ早く、日本がより良い英語教育を子どもたちに提供できるようになるのを願うばかりです。